Everlasting Lovers *ディアラバ*
第10章 生贄の花嫁
逃げなきゃと思っても、怖くて足がすくんで動けない。そうしている間にどんどん追い詰められていく。
「 お嬢ちゃ〜ん? 大丈夫よ〜〜 痛い思いなんてしないから一瞬だから… 」
吸血鬼の1人が私の耳元でそう囁くと 首筋に噛み付いた。
「 いやーーー!!」
鋭い牙に噛まれ、あまりの痛さに泣き叫ぶ。でも血を吸われる感覚は長くは続かなかった。
「 ぃぎゃああああああ!」
私を噛んだ吸血鬼が自らの喉元を掻き毟り、倒れ 痙攣し始めた。
「 おいっ! どうした?」
仲間がその吸血鬼の元に駆け寄る。倒れた吸血鬼は荒く息をしながら私を睨みつけてきた。
「 はっ あっ んあっ…… そのガキおかしな血してやがる。」
3人の吸血鬼の目線がまた私に向かう。
「 … へえ 変わったガキもいるもんだな、、」
「 おい、ガキ。こいつに何をした? どうすれば治る?」
1人が私の首を締め、上に持ち上げた。
「 っ やめて… くっくるし、、」
「 話して欲しけりゃ答えな。」
当時の私は自分の血が毒だなんて そんなこと知らなかった。
「 っ 知らないっ!」
「 ふざけんじゃねーぞ。家畜の分際で!」
首を締める強さが強くなっていき、だんだん意識が朦朧としていく。目の前も霞み始めたその時だった。
「 おい、何をしている?」
凛とした声が路地裏に力強く響いた。