Everlasting Lovers *ディアラバ*
第10章 生贄の花嫁
「 小さい頃ね。シュウともまだ会ってなかった時、お兄ちゃんと一緒にお母さんの誕生日プレゼントを探しに行ったの、、」
ただプレゼントを買いに行っただけなのに、幼い私と兄には大冒険の1日だった…
私もお兄ちゃんもお父さんの記憶はない。私が生まれてすぐ、お兄ちゃんが1歳くらいの時に亡くなったらしい。でも その分 お母さんはいつだって私達の側にいて甘やかしてくれた。どうしたって危険が伴うヴァンパイアハンターの仕事を辞め、普通のお仕事をし 毎日頑張ってくれていた。
「 リリ! 来週の今日 なんの日か知ってるか?」
お兄ちゃんがワクワクした様子で私に尋ねた。
「 なにか 特別なことがあるの?」
楽しげな兄につられ、私もワクワクしてくる。
「 おう! 特別だし、大事な日だぜ‼︎ 来週は母さんの誕生日なんだ。いっつも母さん 俺達のために働いてくれてるだろ? だからその日は俺達が母さんのために頑張るんだ!」
「 うん! リリ、お母さんのために頑張る‼︎」
よしよしとお兄ちゃんは私の頭を優しく撫でた。
「 よし! じゃあ何するか考えよーぜ。」
真っ白い画用紙を広げ、お母さんの誕生日の計画を2人でたてた。
料理はこの間 お母さんにつくり方を教えてもらったハンバーグを、ケーキは2人のお小遣いを合わして 近所のケーキ屋さんで、プレゼントは、、、、、
「 … お母さん、欲しいものとかあるのかな? お兄ちゃん知ってる?」
「 母さんの欲しいもの… 」
2人して分からず 考えこむ。 欲しいものはピンとこないけど、、
「 … お母さん、お父さんに会えたら嬉しいだろうな。」
「 … 無理だよ。父さんはもういないんだから。」
私達の前ではいつも笑顔だけど、お父さんの命日が近くなると 毎年よく寝れないのか 目を赤くしていた。
でも お父さんの命日には、私達を抱き寄せ お父さんのことを話してくれる。