Everlasting Lovers *ディアラバ*
第10章 生贄の花嫁
シュウは私のことを知りたいと言った。 でも、私が彼に話したいのは私がシュウのことを好きだってことだけだ。他に話すことなんて、、
帰り道、2人で使い魔が変化した馬車に揺られている。目の前に座る彼を見ると いつもよりドキドキが止まらない。
「 シュウ。」
「 なんだ?」
「 好き。」
そう言うと 少し照れてるのか 顔を背けた。
「 …知ってる。」
「 大好き。」
さらになんとも言えない顔になるシュウが可愛いような かっこいいような…
幸せだった。この思い出だけで 私はいつだって幸せでいられる。
そう思った…
家に帰り、久しぶりにシュウの部屋に行く。キッチンで入れてきたカモミールティーをテーブルに置き、コンボでドビュッシーの月の光をかけた。最近 寝不足が続いていたから、ゆったりとした空間に眠気を誘われる。でも、まだシュウといたい。
「 ねっ! シュウ、私 今日ここで寝ちゃダメ?」
「 は?」
シュウは何を言い出すんだと言わんばかりの顔のまま固まった。
「 シュウと一緒ならぐっすり寝れそう。なんてたってシュウは眠りのプロだもんね!」
フリーズしたシュウが深くため息をつくと、
「 … いつか 覚悟しとけ。」
そう呟きながら、私を抱き上げ ベッドの上に乗せると 自分も隣に寝転んだ。
「 さっき言っただろ。あんたのことが知りたい。俺の知らないリリの話を聞かせろ。」
優しい眼差しで見つめられ、胸が高鳴る。
「 … 面白い話なんて 何もないよ?」
「 あんたの話なら何でもいい。」
うーん、、何かあっただろうか? 良い話、、、
少し昔に想いを馳せる。
そうだ…
… あの話なら どうだろうか?