Everlasting Lovers *ディアラバ*
第10章 生贄の花嫁
「 あんたの方が近くで見てるのに気づかないとか、鈍感にもほどがある。だから そんな勘違いするんだ。」
シュウが呆れた目で私を見下ろす。
「 …… まあ あいつらはどうでもいい。あんたのことを教えろよ。」
悪戯に目を輝かせ、両手で優しく私の頬をつかんだ。
「 好きなのか? 俺のこと。」
「 … 好き。」
彼は満足げに笑うと、私にそっと顔を近づけた。
「 っ ちょっと待ってよ!」
顔を背け、真っ赤になってるであろう顔を隠す。
すると 不機嫌な顔で彼が睨んできた。
「 なんだ?」
「…… シュウは私のこと好き?」
「 だから鈍感だって言ったんだ。」
そう言うと、シュウは私を抱き上げる。お姫様だっこというので、
「 ちょっ、何して⁉︎ 」
「 帰るぞ。家で教えてやる。俺があんたをどんなに好きか、、」
「 は?」
言うが早く、シュウは使い魔を呼び 家に向かった。
こんな行動力 シュウには似合わない。それに何か引っかかる。
「 なんでわざわざ家なの? こんなに急いで、、」
窓から外を見ながら呟くと、シュウが凍りついた。
「…… あんた、俺が言った意味わからないのか?」
「 何が?」
私がそう聞くと、彼は深くため息をつく。
「 別にいい。 …… 家に帰ったら聞かせろ、俺が知らないあんたのこと。 今日はそれで我慢してやる。」
そう言い私を優しく撫でた彼は少し照れてみえた。