Everlasting Lovers *ディアラバ*
第10章 生贄の花嫁
放課後、アヤトはバスケをしに ユイちゃんはそれを見に、ライトは女の子と何処かへ、カナトは家へ。 何かする気にも帰る気にもなれない私は廊下をフラフラ歩いていた。
「 …… 明日は土曜か、、、」
いつもなら、土曜はシュウとスバルくんに手伝ってもらい お兄ちゃんを探しに行く。でも、、、
「 これからは 1人で行った方がいいよね…」
「 何がだ?」
「 シュウ⁈ 」
振り向くと、不機嫌そうなシュウが立っていた。
「 どうしたの? こんなとこ、、」
「 こっちのセリフだ。なんで最近、俺の側にいない?」
いきなり そんなことを聞かれ戸惑う。
「 … そんなことないよ? シュウの気のせ、、」
「 前は この時間、あんたは俺の側にいた。一緒に家に帰って 勉強しようって… なんで急に俺の側からいなくなる?」
「 いや、、別にいなくなったわけじゃ…」
なんて言えばいいかわかんなくて口ごもる。
ふと、左肩に重さを感じる。
「 …… 俺が嫌になったか?」
私の肩に顔をうずめ、震える声でシュウが言った。
「 …シュウ?」
「 俺は、、大事にしたいと思ったものを傷つけてしまうらしい。いつも この手からすり抜けていく… あんたに何かしたか…?
俺が、、、嫌いか?」
掠れた熱のある声に胸が締め付けられる。
「 …違うよ、嫌いなんかじゃない。シュウ、嫌いじゃないよ。」
傷つきたくない一心で私は好きの一言を飲み込んだ。
なんて 臆病なんだろう…
私の肩から顔を上げたシュウは擽るように私の首に口付けた。
「 …なら 側にいろ。側にいてくれ…」
ユイちゃんが来てから考えたことがある…
私がシュウと結ばれることなんて、ありえない。
大体、私がシュウを好きでも シュウが私をどう思ってるかなんてわからないし、 それに、、、
私は生贄の花嫁達みたいに吸血鬼にはなれない。
吸血鬼と人間が結ばれるなんてありえない。
ずっと無視していた現実に恋心はいとも簡単に傷つけられる。