Everlasting Lovers *ディアラバ*
第10章 生贄の花嫁
レイジさんから聞いた後、カモミールティーを注いだカップを持ち部屋に向かう。
「 明日、来るのか、、、」
その子は知っているんだろうか、自分が吸血鬼の花嫁になるということ。
兄弟の誰がその子と結ばれるんだろう…
しばらく シュウとスバルくんに頼らず 1人で行動した方がいいかもしれない。2人だって 跡取り候補の1人だ。私とばかりいる訳にはいかない。
… シュウは その子のこと 好きになるのかな
その子は シュウのこと 好きになるのかな…
私が とやかく言えることじゃない。私だって まだ知らされないだけで、許婚はいると思う。家柄だけは確かだから、祖父が何かしら企てているだろう。
でも、、
どうしようもないくらい、私は
「 シュウのこと 好きになっちゃった…」
窓から見える優しげな月明かりに包まれながら、そっと呟いた。
次の日、夕方になり そろそろ彼女が来るころかと思い 下に向かうと 何やら騒がしい。
下に行き
真っ先に目にしたのは、
6人に吸血鬼に囲まれ 怯える人間の女の子だった。
「 怯えるまで 言い寄ることもないでしょ…」
すると 彼女が私に気づき 駆け寄ってきた。
「 助けてくださいっ! さっきから あの人達 自分のこと吸血鬼とか言って 怖いんですっ‼︎」
… どうしよう。助けてと言われても、私には、、
「 無駄ですよ、彼女に言っても。ハンターとはいえ父から手出しをしないよう言われてるはずですし。」
レイジさんの言う通りだ。カールハインツさんから関わらないように言われている。それにまだ規約だって犯していないから なんのしようもない。 でも すっかり怯えているこの子をほっとく訳にもいかない。落ち着かせるように優しく問いかける。
「 ここに来る前、なんて説明されましたか?」
今にも泣き出しそうな様子で 彼女は口を開いた。
「 父が転勤するから、私を親戚の家に預けるって…」
何も聞かされてなかったなんて…
それで いきなり吸血鬼とか言われ 血を吸われそうになったのか、、 怖かっただろうな。
「 貴女は私達の親戚などではありませんよ。花嫁候補です。」
「 花嫁…? 」