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Everlasting Lovers *ディアラバ*

第1章 出会いとはじまり



それから私は、挨拶に回るのを一旦やめ、部屋に戻った。

「あーあ 私、今日 会った兄弟 、全員 怒らせてるよ…」

吸血鬼と仲良くするために、ここに来た訳じゃない。だから怒らせたところでなんの問題もないのだ。

でも、心の何処かで期待してた。取引でここを提供してくれたとはいえ、カールハインツさんは色々、私を気遣ってくれていた。
だから 吸血鬼だけど、その息子達とは 上手くやれるかもなんて…

「あんなことあったのに 吸血鬼と仲良くなりたいなんて、私 甘いよね…」


彼らやカールハインツさん以外の吸血鬼にも かつて会ったことはある。たくさんの悪い吸血鬼を見た。そのせいで吸血鬼への警戒心は休まることはない。

でも 全ての吸血鬼が悪くはないこと、優しい吸血鬼もいることを私は知っている。だから


「信じたいって思うの。」




しばらく、寝そべりながら ぼーっとしてると ドアを叩く音がした。

「はい?」

乱れた服を直し、ドアを開ける。

「 レイジさん⁇ あの…何か?」

彼は相も変わらず、不機嫌な表情だった。

「夕食です。兄弟も揃うので、貴女も下に降りてきてください。」

夕食… アヤト達と顔を合わせるのは 正直 気まずい。

「お気持ちはありがたいんですが、私は…」

レイジさんが眉をひそめる。

「…私の料理が食べられないと…?」

「ちっ違います。ただ…」

隠しても しょうがない。三つ子とのことをレイジさんに話した。

「だから、アヤト達も私の顔は見たくないだろうし、私も気まずいし…」

「…そんなことですか?」

「へっ?」

「言ったでしょう? 言っても聞かないバカ が3人いると。人の話をろくに聞かないアヤトの自業自得です。いっそ カナトとライトも痛い思いをすれば良かったんです。貴女が責任を感じる必要はありませんよ。」

「でもっ私の血に毒があるってことは知らなかったわけだし…」

「……知ってましたが?」

「えっ?」

「私は あの人から聞き、しっかり兄弟達に伝えました。わかってないのは、私の話を聞き流した三つ子くらいです。」


…なんで? 確かに取り引きの条件の中で 私の血を吸われないようにして欲しいと頼んだけど、カールハインツさんに血が毒になるなんて話してない。知る機会もなかったはず…

なんで あの人は 知っているの?



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