Everlasting Lovers *ディアラバ*
第1章 出会いとはじまり
とっさに逃げようとすると、誰かにぶつかった。
「ちょっとーアヤトくん? さっきから騒がしーよ〜? ってあれ?誰、この子。」
「おい ライト! そいつ捕まえとけ!」
「はいはーい。」
後ろから抱きしめられ、甘ったるい香水の香りにクラクラする。
「 で、この子誰〜〜? アヤトくん。」
「……? 知らねえ!」
なっ この赤髪 もう 忘れて、
「リリです! リリ ! さっき言ったでしょ⁈」
「あー それだ それ」
…こいつ、相当バカなんじゃ? って それどころじゃない。
早く離してもらわないと。
「あの すみません ライトさん?」
振り向くと アヤトと私と同い年くらいの男の子だった。
「はーい ライトだよ♪」
今時のオシャレに身を包み、今までの兄弟の中で1番優しそうな…
「 手 離してもらえませんか?」
彼は んーと 首を傾げ、
「アヤトくん いーの?」
と 彼は聞いた。
「ダメに決まってんだろ! そいつ この俺様に背負い投げしやがった‼︎」
「……はっ?」
ライトくんの手が緩み、エメラルドの瞳が私に向けられる。
「キミが? アヤトくんを? 背負い投げ⁇」
「すっすみません‼︎」
兄弟 乱暴にされたら 怒るよね…
どうしよう…どんどん窮地に陥ってるような、
「 んふっ アヤトくん ウケる〜〜 人間の女の子に敵わないなんて。」
ん? 意外な反応…
「 るっせーぞ! ライト‼︎ 不意つかれただけだっつの。」
「ふーん。キミ。」
エメラルドの瞳が妖しく光る。
「面白い子だね〜 味見 させてよ。」
背後から囁かられ、ぞっとする。なんとか振り切ろうとすると、
「オマエ、今度こそ 逃げんじゃねーぞ?」
アヤトに くいっと顎を上げられ、2人の牙が近づいていく…
「だっダメ、私の血はっ‼︎」
もうダメだと思った時、側にあった花瓶がパリンと割れ 2人が私から離れた。
「 おーカナトじゃねーか?」
「カナトくんも一緒にどーお?」
花瓶の向こうには、女の子のような、中性的な男の子が立っていた。 かわいい… と 思ったのも束の間、その顔は引きつり
「 うるさいんですよっ‼︎ さっきから‼︎ おかげで僕はさっきから全然 眠れないっ」