Everlasting Lovers *ディアラバ*
第10章 生贄の花嫁
ユイちゃんは快くOKしてくれ、靴はこんなのどうかな?とウェッジソールのサンダルを上着にはジーンズ生地のジャケットを貸してくれた。
「 サイズがほとんど同じでよかった〜 今度、一緒にお買い物に行こうね! リリちゃんもデート服 必要でしょ?」
「 そうなるといいな… 」
少し弱気になると、ユイちゃんが私の背中を軽く叩いた。
「 絶対、大丈夫! 楽しんでおいで‼︎ 」
ユイちゃんの部屋をお邪魔した後、スバルくんの部屋に行ったものも留守だった。クリスタさんに会いに行ったのかな… ?
あの後、痺れを切らしたアヤトが部屋に乱入してきて 2人はデートに出かけた。ユイちゃんは私に申し訳なさそうにしてたけど 2人が微笑ましくて なんだか幸せな気分だ。
私は、、
ユイちゃんに貸してもらった服の入った紙袋を抱きしめる。
「 シュウを誘わないと… 」
シュウのことを好きになる前は、何かに誘うのも 話しかけるのも なんの意識もしなかった。でも 今は、、
「 緊張する… 」
それからは1日中、取っておいた本を読んだり お昼寝したり ダラダラ過ごした。でも いつだって シュウのことが頭に離れない。
そろそろお風呂に入ろうかなと思うと、ドアが開けられた。
「 シュウ!」
駆け寄ると そっと抱きしめられる。
「 疲れた… 」
「 大丈夫? 」
「 ああ。 」
少し顔を上げてそう言うと、シュウは真剣な眼差しで私を見つめた。
「… 明日から 6日くらい魔界に行ってくる。」
「 魔界に? 」
「 調べることがあってな。」
お兄ちゃんのこと、調べてるんだよね… なんで魔界に、、
「 お兄ちゃんのこと調べてるんだよね? やっぱり私も、、」
「 悪い、俺に任せてくれ。片がついたら話す。」
この事にはやけに頑なで心配になる。
「 わかった。でも無理しないでね?」
服を貸してくれたユイちゃんには悪いけど、デートは無理そうだな… そう思ってたら ふとシュウが言った。
「 … 海、行かないか?」
「 え?」
「 俺が帰ってきたら。一緒に。」
優しげな彼の瞳は 2人で見に行った海の色をしていた。