Everlasting Lovers *ディアラバ*
第10章 生贄の花嫁
アヤトだ… やっぱりと言うべきか案の定と言うべきか、、
背中に隠れるユイちゃんに話しかける。
「 どうしたの? 」
そう聞くと、ユイちゃんは白い肌をぷくっと膨らませ アヤトを睨んだ。
「 もう、絶対 アヤトくんに血なんか吸わせないんだから…」
「 はあ? 俺様が何したって言うんだよ、チチナシ! 」
「 アヤトくんの所為で、貧血になってばっかりなんだから!」
「 少しは気をつけてやってんだろ! 今日は弁当だって作ってやったし。」
「 あんな半分ほうれん草、半分レバーなんて嬉しくないっ」
「 オマエが貧血には それが効くって言ったんじゃねーか!」
「 っ そもそも 貧血になる前に 血吸うのやめてくれればいいのに!
ねえ、リリちゃん?」
「 オマエの血は そこの怪力女と違って格別だからしかたねーだろ! なあ、怪力女?」
なんだろう? 思ったよりどうでもいいっていうか、なんか惚気話を聞いているような…
「 …… 2人 仲良いね。」
「 そうじゃなくて!」
「 そうじゃないだろ!」
反論する2人の顔がそっくりで思わず吹き出す。
すると ユイちゃんは我に返ったのか、顔を赤らめる。
「 … アヤトくん。」
「 … なんだよ? 」
ユイちゃんに上目遣いに見られて 照れてるアヤト。
「 別にアヤトくんに血を吸われたくないわけじゃなくて… 」
「 少し 気遣えばいいんだろ。わかったよ。」
明らかにピンクオーラを放つ2人…
邪魔者は退散しようと こっそり去ろうとすると、
「 リリちゃん、私の部屋においでよ!」
ユイちゃんが私に話しかける。
「 え? 」
「 何言ってんだよ、チチナシ! オマエは今から 俺の部屋に、、」
「 やだ! 今日はリリちゃんと女の子同士で過ごすの!」
ユイちゃんが私の腕を組み そう宣言する。
女の子の友達と過ごすなんてワクワクする。
でも、アヤトの私への目つきは尋常じゃないくらい 怖かった…