Everlasting Lovers *ディアラバ*
第10章 生贄の花嫁
シュウの部屋で 朝を迎えた。そっと握った手が温かくて 幸せな気分になる。でも、私だけ 起きているのは なんだか寂しくて そっと彼の頬をつついた。
「 シュウ… 起・き・て! 」
寝ぼけているのか 私に抱きついてくる。恥ずかしくて 逃れようとするも逃れられない。その力強さに少しドキッとした。
「 … シュウ、起きてる?」
そっと彼の顔を覗き込むと、シュウは甘く微笑んでる。
「 起きてない。目覚めのキスがないからな。」
「 キス⁈ 」
キスなんかしたことないのに、いきなり自分からするとかハードルが高すぎる。どうしようかと百面相をしていると、シュウは私から離れ ポンっと頭に手が置かれる。
「 いつか してもらうからな。」
そう言い、洗面台に向かっていった。
「 シュウー! 今日は町に行く?」
気まずくて、ごまかしてしまう。すると シュウは急に真面目な顔つきになった。
「 …… エドガーのことはしばらく俺に任せろ。」
「 え? 」
「 調べたいことがあるんだ。」
「 私も手伝うよっ! 」
「 いや 確信を持てるまでは話したくない。」
顔をしかめ、彼は言った。シュウにも事情があるんだろう。でも突き放された気がして ショックだった。
「 そんな顔するな。少しでいい、待ってくれ。」
「 わかった… 」
いつもはシュウに見つめられると嬉しいのに、なんか苦しかった。ベッドから見る彼の後ろ姿はさらに私を心細くさせた。
することがあるといったシュウと別れる。
今日は学校もないし、1日何をしよう? とりあえずスバルくんに今日は町へ行かないことを言わなきゃ…
と、スバルくんの部屋の前にたどり着く間近のことだった。
「 リリちゃーん‼︎ 」
すごい勢いでユイちゃんが突っ込んできた。
「 ゆっユイちゃん⁈ どうし、、」
何があったのか聞こうとすると、ユイちゃんは私の後ろにさっと隠れる。なんかこんなこと 前もあったようか… そう思ってると 前方から 予想通りに現れた人物がいた。
「 おいっ チチナシ! 俺様から逃げてんじゃねーぞ。」