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Everlasting Lovers *ディアラバ*

第10章 生贄の花嫁




シュウの隣で寝そべりながら、昔のことを話した。記憶の糸を辿りながら、思い出し 気づいた。今、思えば 彼は……

「 私を助けてくれた吸血鬼って、たぶんカールハインツさんだったんだよね… 」

「 なんで そう思ったんだ?」

「 クリスタさんにお母さんとカールハインツさんのことを聞いたことあるし、もしも あの時の人がカールハインツさんなら 私の血のことを知ってたのは納得だなって… 」


お母さんもお兄ちゃんも側にいない今にとっては、あの思い出は温かく優しい思い出だ。でも後悔してることがある。お母さんをカールハインツさんに会わせてあげられれば良かった。ペンダントを握りしめた時、流した涙を思い出し そう思った。

そんなことを考えていると、隣に寝転がっていたシュウが私の頬をつねった。

「 いっ痛いよ、シュウ! 」

「 … 面白くない。」

「 何でもいいって言ったじゃない! 」

「 あんたというより 家族の話だろ。オマケにあいつが出てくるし。」

と、シュウが毒づいた。

「 … じゃあ 私だって、シュウのこと知りたいよ。シュウのお母さんは? どんな人⁇ 」

「 … 死んだ。」

「 ごめん… 」

「 別にあんたも同じだろ。別に俺は何も思わない。」

天井を眺める彼の表情はどこか冷めていた。
そっと彼の柔らかな髪に手を伸ばし、抱きしめた。

「 大胆だな… 」

シュウが私の腕の中で呟く。

「 好きだから。抱きしめたいし、側にいたい。悲しい顔はさせたくない。」

彼は私の腰に手をやり 引き寄せる。

「 側にいるだけでいい。俺から離れるな… 」



切なげな彼の声が胸を締め付ける。何を犠牲にしても シュウの側にいる。心の底から そう思った。

でも そんな簡単な約束を私は程なくして破ってしまう。


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