第1章 はじまりと契約。
口々に謝りながら綺麗に90度頭を下げてくる3人。
その姿に思わずキョトンとする。
ふむ、なるほど。
だからおそ松はさっき言い淀んでたのか。
『別にいいよ。
怒ってないし』
おそ松「・・・え、マジ?」
『ついさっきも言ったと思うけど、やっちゃった事は仕方ないよ。
見た感じすっごく反省してるみたいだし・・・。素直に謝ってくれたんだから、次からは気をつけてくれればそれでいいよー』
そうだ。
やっちゃった事はしょうがない。
私だって手を滑らせてスマホを水没させちゃった事とかあるし。
ちなみに足湯で。
全然怒ってないし気にしてないって事が伝わったのか、3人とも頭を上げてくれた。
カラ松「とんでもないオレ達のミスを許してくれるなんて・・・とても心根の優しいレディなんだね、キミは」
トド松「でも・・・その、未練とかあったんじゃないの?」
『だーいじょうぶ。
そりゃ、声優さんのイベントとかラジオとか番組とかまだまだ見たかったし聞きたかったけど・・・こうして好きな声を直に聞けてるんだし。
これをやんなきゃ死にきれないーみたいな未練は無いから』
トド松「そう・・・鈴ちゃんがそう言うなら、良いんだけど。
どうする、おそ松兄さんとカラ松兄さん」
おそ松「んー・・・。
なんつーか、人の生死レベルだしやっぱ何かお詫びしないとこっちも後味悪いっつーのかな。
させてくんね?」
カラ松「・・・ああ。
兄貴の言う通りだ。オレ達のミスで死なせてしまったレディを、このまま見送るなんて・・・出来ない相談だな」
『お、お詫び・・・?
いやでも・・・私死んだし』
「っっどぅーーーーーーん!!!!」
むっぎゅう!
『みぎゃああああ!!??』
謝罪してくれたかと思えば今度はお詫びに何かしたいと言ってきた。
死んでしまった私に何かしてもらえる事があったのか、なんて思ってるとやけに元気な声と共に凄い力で誰かに抱擁された。
うわあ、死んでからこんなにビックリ連鎖があるなんて・・・。