第1章 はじまりと契約。
ドスの効いた声でカラ松の胸ぐらを掴んだ事が功を奏したのか、一松の照れは引っ込んだようだ。
おそ松「・・・にしても、チョロ松の奴おっせえなー。
パパッと話つけてくれば済む事なのに、アイツさては渋滞にハマったか・・・?」
『え、星座の世界でも渋滞とかあるの?』
トド松「うーん、なんて言えばいいのかな。
星座の世界って言うか、僕達化身と神様が暮らしてる世界をひっくるめて天界なんだ。
その天界で、僕達とか他の化身が暮らしてるここが天中界。それ以外の、天使とか神様が暮らしてるのが天上界って言うんだ」
カラ松「渋滞と言うのは、天中界と天上界の間にある天の川・・・ミルキーウェイの事だ。
あそこは星座になっていない星々の生活層だからな」
『天の川って、毎年七月七日だけに見えるやつだよね。
こっちの天の川って星が住んでるんだ?』
十四松「うん、住んでるよー。
宮殿みたいな所で織姫と彦星王子がイチャラブしててー、あんまりリア充だから下界の七夕の日だけは真面目に働けー!って神様に大目玉食らってた。あはは」
『へー・・・星も大変なんだね。
なんか会ってみたいかも』
一松「・・・・・・やめた方いいよ。
アイツらのリア充レベルは異常だから。・・・ハートが無駄に具現化されてるしオーラがピンクだしテンプレートな純愛映画を延々と見せつけられるようなもんだよ。
・・・・・・あー、思い出しただけで発火しそう」
虚空を見るって言うのかな、一松は目の下に影を落とした。
そんなにリア充なんだ・・・。
おそ松「とーにーかーく。
天上界に行くにはその天の川を通んなきゃなんないんだよ。
空いてる時は普通に通り抜けれるんだけど、混んでるとそうも言ってらんなくてさー」
『それで渋滞、ね。なるほど』
十四松「待ってる間暇だし、野球しよ!
野球挙!しよっ!!」
トド松「ちょ、十四松兄さん・・・!
女の子相手にオープン過ぎるからそれ!」
いきなりの十四松の提案を言わずもがな止めに入るトド松。
・・・うーん、野球挙は遠慮したいけど十四松の笑顔が眩しいな。