第6章 Casual everyday～何気ない日常～

それから私とレイジさんは部屋に戻り、特に会話もなく、私は気疲れしたのか、すぐにベッドへ横になり眠ってしまっていた。

多分レイジさんはいつもの様に本を読んでいたのだろう...隣に気配を感じなかった──


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｢...、ユウラ、起きなさい｣

｢んん...｣
レイジさんの声がする...
もう学校へ行くのかな？
｢...今起きますから...｣
寝返りをうち、布団に潜る。寝ぼけていた私は、ついいつもの癖が出てしまった

｢ずいぶんな態度ですね、全く...ほら、早く起きなさいと言っているでしょう？｣

｢うぅ...もう少しだけ...｣
怒られると分かっていながらも、身体が言う事をきかない。〝ずいぶんな態度〟とゆう言葉に、何も言い返せない...

｢...貴女！！いい加減にしなさい！私がこうして起こして差し上げているのですよ！｣
声を荒らげるレイジさん...私が恐る恐る布団から顔を出すと、窓際で制服のシャツのボタンを止めながらこちらを見ている

｢い、今起きます｣
レイジさんの表情がとても怖くて、とてもわがままを言える状況ではなかった...

｢もういいですから、貴女も早く支度して下さい｣
ネクタイを手に取り、ベッドの方へ向かってくる

｢はい。｣
起き上がり、背伸びをする
目の前にいるのはヴァンパイアなのに、リラックスし過ぎているのは気のせいじゃない。けれど、気持ちが落ち着くのは確かで...マヌケな私は、無意識に目を閉じてあくびまでしてしまった

目を開けると、ベッドに腰掛けるレイジさんと目が合う

｢す...すみません...本当に...お恥ずかしい｣
何を馬鹿な事を言っているのだろう
レイジさんは私の方へと更に近付いて来ると、持っていたネクタイを私の首に回す

｢え？！レイジさ...ん？｣

｢少々躾が甘すぎた様ですね...｣
きつく締められる首に、私はうまく息が出来ない

｢うっ...うぅ...｣

｢私が何者なのか、貴女を見ていると忘れてしまいそうになるのですよ。そんなに油断して、隙を見せて、一体どうしたいのです？｣
締めあげる手は緩まない

｢...はぁ...っ...｣

苦しい...

怖いよレイジさん...