The result of revenge [ディアラバ]
第6章 Casual everyday~何気ない日常~
〝魔界〟
その言葉の響きに、まだあれからそんなに時が過ぎていないのに、とても懐かしいと感じてしまっていた...
「えー、普通の月蝕でもあんなに面倒なのに?ボクすっごく不安なんだけどー」
ソファーに座っていたと思ったライト君がいつの間にか窓際で外の月を見ている
目を逸らすと、すぐどこかに居なくなる彼等の行動にはいつも驚かされる
「オレには、ライトが不安そうには見えねぇけど」
「ふふ...」
スバル君はたまに面白い事を言う、その度に笑う私もどうかしてるのかも知れない
「でもさ、あの人がわざわざ気をつけろーだなんて言って来たんだよ?何か説得力あると思わない?」
「そうですね、ライトの言う通りです。」
紅茶を飲み終えたレイジさんは、カップをテーブルに置き、足を組み替える
「お父上から、その様な事をわざわざ仰って来たのです。今までの月蝕とは話が違うのでしょうね...」
「で、具体的には何を気をつけるんですか?」
それは漠然とした疑問だった。
ヴァンパイアにとっての月蝕...
始祖には何か影響があるのだろうか、元々始祖だった私には何かあるのではないか...そんな不安が頭をよぎる
「そうですね...、特に普段通りで良いのですが、あまり出歩かないのが一番良いでしょうね。人間であるユウラが同じ屋根の下に暮らしていますから、その部分も含めて、ですが。」
眼鏡をクイッと指で押し上げながら、私と視線を合わす。まるで、貴女も注意しなさいと言っているかの様に...
「ホントめんどくせぇ...」
スバル君は立ち上がり、舌打ちをしながらリビングから出て行った。
「んふ♪同じ屋根の下、ね...」
相変わらず窓の外を眺めているライト君は、何を考えているのだろうか...
スバル君がリビングから居なくなって、私もようやく紅茶を飲み終わり、一息付いた。
レイジさんはティーカップを眺めて、とても満足そうな表情をしている
「あの...レイジさん、他の兄弟達は知っているんですか?魔界でも月蝕に入る事...」
私は唐突に質問をした
するとレイジさんは私の方を一瞬見た後、再びカップを眺めながら言う
「どうでしょうね...知っているのは穀潰し位なものでしょうか」
「穀潰し...ですか」