The result of revenge [ディアラバ]
第5章 Destiny~運命~
「..それで側に居たと...そうゆう事なのか」
私は何を期待していたと言うのか
こんなに考えが掻き乱されるのはいつからなのだろう
「もう大丈夫なんですか?」
「あぁ...少し休んだからな...」
幸いな事に、病の事は悟られていない様だ
「最近カルラさん、いつも難しい顔をしているから、私もシン君も心配しているんですよ?」
そう言って少し微笑んでみせた彼女の顔を、じっと見て言う
「あぁ...そうだな、心配させてすまない」
「何か力になれる事があれば、何でも言って下さいね!!」
何故か急に感じた違和感を、ユウラに問う
「オマエ、昔はそんな話し方では無かった筈だが...」
「どうしてですかね...カルラさんと居ると、気が引き締まるんですよ、きっと」
「そうか...では私はもう少し休むぞ」
手を握られていた事を聞くことが出来なかった
この私が何を怯えているのか...
「じゃぁ私はこれで失礼します!シン君にも大丈夫だって伝えておきますね♪」
そう言って彼女は部屋を出て行った。
静まり返る部屋
再び目を閉じた...
ユウラの顔が浮かんでは消える
「...これも病のせいなのか...」
そんな筈はないが、そう思いたくなる程にユウラの事が頭から離れなくなっていた
しばらくその場で身体を休めていると、シンが部屋に来た
「兄さん、入るよ」
「あぁ。どうしたシン...」
「どうしたじゃないよまったく、兄さんがうなされてたってユウラが言ってたからさ」
ユウラ...、大丈夫だと伝えておくと言っていたのに。余計な事まで...
世話のやけるヤツだ...
「少し疲れていたのだろう、もう大丈夫だ」
上半身を起こしながら言った
「無理しないでよね、兄さんが居なくなったら、困るんだから!」
そう言ってシンは、近くに置いてある椅子を、反対側から抱え込む様に座る
「......シン...色々すまないな」
「...っ、そんなの始祖の王が言う言葉じゃないね!」
背もたれに置かれた腕に顔を伏せた
シンは病の事を知っている...
この病のたどり着く先の事も。
だからこうして時折様子を伺いに来る
「そうだな...所でシン、今日は何故ユウラを寄こしたのだ...」
そう言うと、シンは珍しく黙ってしまった