The result of revenge [ディアラバ]
第5章 Destiny~運命~
「シン...オマエ、もしや──」
「とにかく!これからはなるべく兄さんも、ユウラに関わってもらう事にするからね」
顔を上げ、私が言いたかった事を遮り話すシン
「...それは、どうゆう意味だ」
「だから、そのままの意味だよ。ユウラはもっと兄さんと仲良くしたいんじゃないの?昔みたいにさ...。アイツ最近、兄さんの事ばっかり気にしてるんだよ...」
シンの表情はどこか悲しげだった
やはりか...
シンは昔から彼女の事を、ただの女ではなく、それ以上に見ていたのだ。
「余計な気を回さなくても良い」
そう言いながらも、自分の中にある彼女の存在もまた、どこか変化してしまっている事を感じた...
このままではいけない。
こんな邪念はいらない。
そう思えば思うほど、ユウラの顔が浮かんで来た
私は悲願を達成出来るのか...
このまま彼女を私の側に置いておけば、この病が彼女までも蝕む事になる...
始祖の繁栄は、私ではなくシンに任せる他に選択肢は無いのか?
色々な思考が頭の中を支配していた
しばらく沈黙が続く
シンは立ち上がり、部屋を出て行こうとする
呼び止めて話す事もない。
私のこの感情を悟られてしまったか...
いや、とにかく今はここから出る事を最優先に考えなくては...と、自分を奮い立たせる。
静かにドアの閉まる音がした
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そしてある日それは突然訪れた
招かれざる客。
憎悪の対象...いや、正確には奴の使い魔だ
この万魔殿に外から侵入する者など、奴以外の誰にも不可能だ
ソイツは私の元へ手紙を寄こした
不気味な封に家紋...
あぁ...気分が悪い...いったい何だと言うのだ。ここを脱出するという我々の計画がバレてしまったのか?
悪い予感は的中する...手紙の中身はこうだ
『このまま計画を進めるのならば、この万魔殿ごと葬る事は容易い...しかし、それでは退屈すぎる、ならば一つ提案だ
始祖の血を持つ女を我が息子達の元へ。
そすれば、計画は不問にする。』
そして、最後に付け加えられていたのは、
ユウラをこのまま万魔殿へ置いていれば、
彼女もまたいずれ病に侵される、と。
「...なんなのだこれは...」
私は怒りに任せて、目の前にいた奴の使い魔を吹き飛ばし、消し炭にした