The result of revenge [ディアラバ]
第5章 Destiny~運命~
「...フッ...」
私はシン達が去った後に、手元に残った紙を眺めた
よく見ると、私の表情は微笑んで描かれていた
「こんな顔などした事ないのにな...」
もう随分と長い時間、張り詰めていた
私がしっかりしなくては、そう常に頭にあったからだ
シンは良くやってくれている。口に出して感謝こそしないが、多分アイツも分かっている事だろう...
────────
あぁ...思えばあの頃から私は気を張っていたのか。
どれだけ長い間この城に幽閉されているのだろうか...そろそろ時が満ちる。
月蝕の時に全てを終わらせてやる
「っ...ゴホッゴホッ...」
それにしても、
そろそろ私の身体も限界か...
「...っく...クソ...」
あと少し、あと少しなのだ───
私はそのまま自分のベッドへ横になった
しばらく眠っていたのか
気が付くと少し気分は良かった
「...ん?」
ふと横を見ると、ユウラがベッドにもたれ掛かる様にして寝ている
「おい。ユウラ...」
全然起きる気配がない、もう一度強く言いながら、体を揺さぶってやる
「おい!起きろと言っているのだ。」
「...んん......」
薄目を開けたユウラと目が合う
彼女は飛び起き、焦った表情で色々喋っているが、今の私には全然聞こえない
いや、耳に入って来なかったと言った方が正しいか...
私の手を握っていたのだから
「...カルラさん?」
私が黙っていたからか、顔を覗き込んで来るユウラ。
「...何だ」
「だから、あの...シン君が...」
「シンがどうしたと言うのだ...」
またシンの話か
「いえ、違うんです!シン君がカルラさんの様子を見て来いって...それで、ノックしても返事が無かったから──」
「なぁユウラ、そんなに私が怖いか?」
焦って動揺しているユウラの言葉を遮り、問い掛ける
「...そんな!どうしていきなりそんな事言うんですか!?」
「...いや、気にするな」
くだらない疑問だ
「それで...どうしてオマエはここで眠っていたのだ」
「その...私が来た時、カルラさん凄くうなされてたんです。それで...」