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The result of revenge [ディアラバ]

第5章 Destiny~運命~




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始祖の王は私

こんな残酷な事がこの世の他にあるだろうか...
生き残った一族はたった3人
魔界の全ての原点である、始祖。
そんな私達が滅びるなどありえない

いつか復讐を果たす
それが私の願い

珍しく昔の事を思い出していた

──────



「カルラさーん、見てみてー」
満面の笑みでこちらに向かって駆け寄って来たのは、ユウラ。
彼女は始祖の生き残りで唯一の女
幼い頃に両親を病で亡くしている。
私はシンと共に彼女を守ろうと、側に置いていた

始祖存続の為に必要な唯一の女...
それだけの理由だった

「ねぇ!聞いてるの?カルラさーん!!」
呑気なものだ...こんな狭い空間でそんなに楽しい事などあるはずも無いだろう

息を切らして側まで来たユウラは
「ほら、これ!」
と、私に何か見せてくる

「何だこれは...」

「あのね、シン君と一緒に描いたんだよ!」
決して上手くはないが、私を描いたのだろう

「ねぇ、どう?似てるでしょ??」
何がそんなに楽しいのか...

「ちょっとユウラ!兄さんには見せるなって言ったじゃないか!」
シンが慌ててこちらへ来る

「わ!シン君怒ってる!」
そう言いながらユウラは私の後ろに隠れ、脇から少し顔を出し、様子を伺っている

「どうしたシン...騒がしいぞ」

「あ、兄さん!...もしかして、もう見ちゃった?」

「見た、とは...これの事か?」
私はユウラに渡された紙をシンに見せる

「げっ...」
焦っているのか、シンは片腕で口元を隠す

「ごめんね、シン君!どうしても見せたくて」
私の後ろに顔を隠したまま言った

「ずいぶんと楽しそうじゃないか...」
シンとユウラはいつも一緒に何かしている
時より羨ましく思う事もあるが、私はシンとは違う。そう決めつけ、自分から2人を構う事はなかった

「ユウラが描けって言い出してさ!オレはやめておいた方が良いって止めたんだけど、まさかホントに見せるなんてね...」

「呑気なものだなシン...」
私が呆れていると

「ごめんね兄さん、こんなくだらない事に巻き込んで、ほらユウラ...行くよ!」
そう言ってユウラの手を掴んでどこかへ行ってしまった


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