第14章 New relationship～新しい関係～

｢そ、そうなんですね。｣

｢貴女もまだまだですね。｣

｢精進します｣

私のその言葉に、レイジさんはフッと鼻で笑い、私のすぐ側へと近づくと

｢その口調にその表情…実に可愛らしいですよ。｣

｢っ…｣

私の髪の毛に触れ、言った

ふいに湧き上がる喜びと、身体の火照りを隠しきれずに、自分の顔が熱くなった

｢もう…。なんだか今、レイジさんの顔見れません…本当に、そうゆうのズルいってゆうか…｣

レイジさんに触れられるのは初めての事じゃないのに、相変わらず動揺するなんて…恥ずかしい

｢ズルい、ですか。ユウラは可愛らしいのも素敵ですが、その顔を歪めたいと思ってしまうのもまた事実…｣

｢…？｣

レイジさんの声が少し低くなった。
身体の奥まで届く様な……そんな声…

｢ほら、もっとこちらへ来なさい。｣

腰に回された手
少し強引に、そのまま引き寄せられ

抵抗する理由も無い

少しの沈黙に身を委ねた…

｢……んっ…｣

重ねられた唇は次第に激しくなる

｢っんん……っはぁ…｣

もう、立っているのもやっとの私に気が付いたレイジさんは、回していた手を強めた
私もそれに応える様に、彼の背中へと手を回す

｢やはり一夜を共にすると、積極的になるものですね｣

｢駄目…ですか？｣

｢いいえ。ですがもう立っているのも辛そうですよ？たかがキス位でこれでは───｣

そう言われたのが少し悔しくて、今度は自分からキスをした

｢…っ｣

戸惑った様子のレイジさんから漏れた吐息…
それはとても熱を帯びていて、私の身体を痺れさせるには充分だった。

｢貴女という人は…。困りましたね…少しだけからかうつもりでいたのですが、このままでは終われそうもない…｣

次の瞬間、突然身体がフワッと宙に浮いた

｢ちょっ、ちょっとレイジさん！何してるんですか！？｣

軽々と私を抱き上げる

｢貴女が悪いんですよ。場所を変えましょうか｣

斜め下から見上げた彼の表情は、潤んだ私の目から見ても妖艶で、身動きが取れなくなった…

｢今夜は貴女をめちゃくちゃにしてしまいそうです。私の理性も、ユウラを前にするとこんなにも脆くなってしまうものなのですね｣

私へと向けた言葉ではなく、ただ自分自身へ言い聞かせている、そんな風に思えた


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