The result of revenge [ディアラバ]
第9章 Confrontation~向き合うこと~
私は最後に一つだけ聞きたい事があった。
それは学校の屋上でシュウさんと話をした時に言われた事...
今なら聞いてもいいかな?
「ねぇ、スバル君...ヴァンパイアにも〝愛する気持ち〟って芽生えたりするの?...前にシュウさんが、そんなもの無いって遠回しに私に言ってきたの...」
ヴァンパイアのスバル君に聞くのもおかしな事だと思ったけど、私は素直に口に出した
「ハッ、バカ過ぎんのもいい加減にしろよ?」
呆れ果てた様に笑いながら話したスバル君。
私の質問が、そんなにおかしかったのかな...
「え?」
笑われた事の意味すら分からずに返してしまう。
「あのな、オレはさっきから言ってたはずだぜ?...ま、まぁ、少し濁しちまったけど、遠回しにユウラのコトが好きだって言ってたんだけど、分かってなかったのか...」
遠くを見ていたスバル君が完全に俯いて顔を隠した。
ハッキリと言葉にして告げられた事で、私の心の中にあった靄がどんどん消えていく...
「そうだよね...ごめん、スバル君...でも、ありがとね。」
今の私に出来る精一杯の返事
「もういい。分かったから、さっさと行けよ!」
そう言ったスバル君は振り返ると、バルコニーから立ち去ろうとする...突然立ち去ろうとするから、私も慌ててスバル君の方へと振り返り言った
「今日の事、私絶対忘れない。私の居場所、ちゃんと自分で作って来るから!」
スバル君は後ろを振り返らずに、片手をあげた
それは、まるで私の言葉に返事をしているかの様だった...
彼の後ろ姿を見つめながら、思った。
やっぱりこのままじゃ駄目だ、明日レイジさんに話をしに行こう...今の私なら出来る。
自らを犠牲にして、私の背中を押してくれたスバル君の好意を無駄にできない。
空を見上げた───
「あ、上着...返し忘れちゃったな...」
さっきよりも肌寒くなっていたからか、スバル君に借りた上着を自分で深く羽織ると、バルコニーから屋敷の中へと入っていった...
スバル君には甘えっぱなしだったかな...
けど、こうゆうのって、確か人間の世界では〝友達〟って言うんだっけ?
まぁ、私だけがそう思っているのかも知れないけれど。
いずれ、そうなれれば...と願うのは、
「さすがに欲張りかな...」