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The result of revenge [ディアラバ]

第9章 Confrontation~向き合うこと~




「あぁ。オレはユウラの心の中が知りてぇ...」

いつもよりも積極的なスバル君がいる。
私もそれに答えなくちゃ...

「あのね────」

私は今の心の中の想いや、迷い、葛藤を、一生懸命言えるだけ話した。
その間、スバル君はただ黙って聞いてくれていた...
ひとしきり話し終えた後、スバル君は意外な事を言い出した。

「今すぐ行けよ...」

「え?!どこに?!」

「んなの決まってるだろ?」

「いや...スバル君、今の私の話ちゃんと聞いてた?それが出来なくて困ってるって言ったのに」
あまりにも単純で、簡単な言葉に動揺してしまった。

「...聞いてたけどよ、オレにはオマエが何でそこまでグダグダ頭ん中で考え込んでんのかが分からねぇ」

「そんな、グダグダだなんて言わなくても...」

「だってそうだろ?もう大切な人だって分かってんなら、ハッキリ言えばいいじゃねぇかよ!」

少し怒ってる様にも聞こえたスバル君の声。
けれど、それがスバル君なりに私の背中を押してくれているのだと理解する

「こんなにグチャグチャな想いを伝えてさ...もしレイジさんに嫌われたらって───」

「あぁ?!!オマエさ、アイツのコト何も分かってねぇんだな...一緒に過ごしてた時間は何だったんだよ!...レイジはユウラを待ってるって、そう言ったんだろ?!」

「けど...失うのが怖いの...」
そう私が言うと、スバル君は黙り込んだ


スバル君の言葉が私の胸に突き刺さる...
きっと誰かに言われたかったのかな。
大丈夫だから、ちゃんと伝えろって...

さっき、スバル君は自分の想いを伝えてくれた。私がレイジさんの事しか想っていない事を知っていても...
そして今、私がどうにか幸せになる方向へと導こうとしてくれている。

私は、自分が傷つく事を恐れていただけなのかも知れない...
〝待っていますよ〟と言ったレイジさんに答えたい。

ただ、私が心の中で想い続けているのは、側に居たいとそう思えるのがレイジさんなんだって───

少しの沈黙の後、スバル君が話し出す

「...失うとか、失わねぇとか、まだ何も始まってねぇんだから、今考えても仕方ねぇだろ」

静かに、けれどそれは、強く私に向けられた言葉だった。


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