第9章 Confrontation～向き合うこと～

そんな事を考えながら、自分の部屋へと向かう長い廊下をひたすら歩いていた。

ふと香ったレイジさんの香りに、一瞬振り返った───
けれど、そこには誰も居なかった...レイジさんの事ばかり考えているから、嗅覚もおかしくなっちゃったかな...なんて、くだらない事まで考えていた。



部屋に戻り、スバル君の上着を椅子に掛けると、私はベッドへと横になった。

｢明日は...確か学校休みの日だったっけ...｣

皆居るのか...
どうしよう。いつ、どのタイミングで話をしに行こうか...グルグルと同じことばかり考えていたら、自然と眠気が襲ってくる...

｢レイジさん...早く逢いたい...｣

触れたい...その優しくも厳しいその瞳で私を見て欲しい...
まだ私の事、待っていてくれているのかな？

さっきよりも強く込み上げてくるこの感覚と感情を抑えるかのように、

私は、そのまま目を瞑った───





そして夢の中...またあの声が聞こえてきた