The result of revenge [ディアラバ]
第9章 Confrontation~向き合うこと~
正直こんなに影響されるものだとは思ってなかった...けれど、レイジさんが皆に忠告していた本当の意味を、今なら解る様な気がしていた。
「...少し前に、知らねぇ人間の女に突然言われたんだよ。そいつはオレのコトが〝特別〟で、好きだって...けど、んなもんオレにはさっぱり分からねぇし、どうでも良かったからシカトしてやったんだけどよ...」
そう言った後、少し俯いたスバル君は、片手で自分の髪の毛をクシャっと掴む
「無視しちゃったんだ...それで?」
「けどよ、なんつーか今ならその女の言ってたコトがわかるっつーか...」
これからスバル君が何を言おうとしてるのか、こんな鈍い私にも分かった。
だけど、遮らない...絶対に。
最後までちゃんと聞くから...だからそのまま続けていいよ、スバル君。
「そういう感情を理解しちまってから、オレはユウラが幸せならいいって、そう自分に言い聞かせてきた。困ってる時には助けてやればいいって」
「...だから、この間私が学校で迷ってた時に助けてくれたんだね」
「あぁ。まぁ...けど、アレは偶然見かけたってのもあんだけどよ」
そうだ。あの時、お礼言い忘れてたから、今言わなきゃ...
私は俯いているスバル君の肩を軽く叩き、私の方を向かせて言った
「そう、あの時はありがとね!」
私がそう言うと、スバル君はすぐに私から目を逸らした
「別に礼なんかいらねぇよ」
そう一言だけ話すと、また少し黙ってしまう
「ねぇスバル君...?」
「んだよ、まだオレが話してる途中だってのに」
「そ、そうだよね...ごめん」
レイジさんを前にすると黙り込んでしまう自分と、今のスバル君が重なってしまったのだろうか...私は沈黙に耐えられずに声を掛けたけれど、今日のスバル君は少しも引かなかった。
「で...オマエは今、幸せなのかよ」
「え......」
「すぐ答えられねぇのか?ちゃんと今幸せだって言わねぇのかよ...」
スバル君...
今の私にそんな質問するなんてズルイ。
「そんなのすぐ答えられる訳ないじゃん!」
〝幸せ〟がどうゆうものなのか、今の私にはちゃんと理解出来てないのに...