The result of revenge [ディアラバ]
第9章 Confrontation~向き合うこと~
「え?スバル...くん?」
後ろから優しく回される腕と、近くに香るスバル君の匂い。
私の首筋に顔を埋めると、そのまま話す
「なぁユウラ...そんな顔する位なら、レイジなんかやめちまえよ」
耳元でようやく聞こえるくらいの声で言われた事に、私は動揺してしまったから...
「...ごめんスバル君、今何て言ったかハッキリ聞こえなかったよ。」
ズルイと思いながらも、私はそう言ってしまった。
「オマエはいつもそうだよな...ホントのことを言わねぇ、だから今だって苦しんでるんだろ?」
私を抱く力が少し強くなる
なぜか抵抗もせず、ただスバル君に身を任せている...
まるで私の心の中を見透かされている様で、身動きが取れないのかも知れない
自分の服の裾を掴んでいた手を、私の身体を抱くスバル君の腕に添える...
温かくも冷たくもない。ヴァンパイアの感触。
──それは全くレイジさんと同じで──
こんな時にまでレイジさんの顔が浮かぶなんて...
「ねぇ...スバル君はどうして、こんなに私の事を気にかけてくれるの?前にレイジさんの部屋に来てくれた時もそうだったし...」
ただ心配なだけなら、こうして抱きしめたりしてこないよね?
優しい所と、強引な所...
まるでシン君みたい。
「...抱きしめたらダメなのかよ?」
スバル君は、私の首筋に埋もれていた顔を、反対側に移動させ、今度は耳元でそう言った。
すぐ側で話し掛けられた事で、身体が少し反応してしまう...
「っ...、いや、だから、ダメって言うか、なん──」
私が返事をしようとする前に、スバル君が遮る
「オレは、レイジみたいに頭で考えたり、理性とかそうゆうの分かんねぇから、すぐ態度にでちまう。ユウラが迷惑だって言うなら、もう二度とやんねぇから」
抱きしめられている腕の強さは変わらない...
私も、スバル君の腕にずっと触れたままでいる。
「...つくよ...」
「んだよ、全然聞こえねぇ」
「...嫌じゃないよ...なんでだろう、落ち着く」
それは本音だった。
レイジさんと居る時とは全く違う感じ...
シン君と居る時みたいな感覚だった───