The result of revenge [ディアラバ]
第8章 Confident feelings~確信した想い~
するとユウラの魅惑的な香りがより強く感じ、理性を保てそうにないと感じた私は、
「...っ、すみません、私とした事が貴女の気持ちも考えずに...あれから、貴女にはまともに触れてさえいなかったと言うのに、少し強引すぎましたね」
そう言って彼女に触れていた手を離した...
すると意外にも彼女は、私の左手を取り、指を絡めながら、こう言った
「もう少しだけで良いので、こうしていて下さい...」
少し暖かいユウラの手が、私の冷たい手を強く握り締める
その感触は、何にも例えようが無い...
今まで感じたことが無い感触。
何か彼女の強い意思を感じさせる様な、そんな気がした───
「少しだけ、ですよ」
そう一言返し、私は足を組み替え、繋がれていない方の右手で眼鏡を少し押し上げた
「ふふ...久しぶりに見た気がします、レイジさんのその仕草」
と少し照れ笑いしながら言うユウラ。
「貴女...いきなりそんな事を言うとは、私を馬鹿にしているのですか?」
彼女の方へと向き、からかい半分強めに言い返すと、今度は嬉しそうに笑いながら、
「やっぱりレイジさんはレイジさんなんですね」
と意味あり気な事を言った
「全く...相変わらずおかしな人ですね貴女は。私は私であって、他の何者でもありませんよ?」
そう言いながらも、ユウラが言った意味あり気な言葉よりも、彼女が近くに寄ってから感じていた違和感が更に強くなっている方に意識がいってしまっていた...
「そうですね。私ってば、何だかレイジさんとこうしている事が嬉しくて、つい変な事言っちゃいましたね」
何なのだろうこの違和感は───
「...そ、そうですか。しかし、今まで私を避けているかの様な素振りをしていたのに、急にどうしたと言うのです?何だか今日のユウラは別人の様ですよ?」
「...まあ、そう言われるとそうなのかも知れないですけど...」
彼女もまたどこか自身の変化を感じ取っているのだろうか、意図的に変わった感じではなく、無意識のうちに変化していると表現した方が正しいだろう。
私が少し黙って考え込んでいると、
「あの、レイジさん....月蝕が始まるのって、確か明日ですよね?」
私の方を真っ直ぐ見つめながらそう言った