The result of revenge [ディアラバ]
第8章 Confident feelings~確信した想い~
待っているとそう決めたのに、焦りを感じずには居られない...だが、今ではない。もう少しです...もう少しだけ彼女に時間を与えなければと、必死に理性で押さえ込み、これ以上立ち聞きをするものではないと、その場から立ち去った───
翌日、学校へは登校しない日、自室で過ごせば良いものの、特に用もないのにリビングへと向かい、三人がけのソファーの右端に座り、本を読んでいた。
まるでユウラがここへ来るのを期待しているかの様に...
「あぁ...無様ですね」
本をそっと閉じ、ため息をつく
するとリビングの、ドアが開いた──
そこへ現れたのはユウラ。彼女は私の姿を確認した後、少し意外そうな表情を浮かべ、一瞬だけ目線をそらすも、また私の方を見つめながらこちらへと歩いてくる
先に目を逸らしてしまったのは私...
ユウラは、私が腰掛けているソファーの左端へと座り、少し黙っている。
久しぶりの二人だけで過ごす時間、静まり返るリビングで、ユウラの鼓動の速さを感じる...
私はそんな彼女が愛おしくてたまらない
すると先に口を開いたのは彼女だった
「...レイジさんがこの時間から、ここで読書するなんて珍しいですね」
私の方へと顔を向け、ぎこちない笑みを浮かべている
「まぁ、そうですね。たまには私も気分転換をしたくなる時があるのですよ...しかし貴女、今日は学校へ行かない日だと言うのに、いったいここへ何しに来たのです?」
大丈夫、いつも通りだ。
「えっと、あの...私レイジさんに会いたくなっちゃって...ココにいるかな、なんて思って...」
私の方へと向けられていた視線が、その言葉と共にソファー前にあるテーブルの方へと変わる。テーブルの上には何も無い事から、恥ずかしさのあまり、私の方を向けないのだと悟った...
「ではユウラ、もっとこちらへ来たらどうです?」
一人分空いている空間がとても遠く感じた。
彼女は軽く頷き、腰を少しづつ私の方へとずらして来た
私の肩に触れるか触れないかギリギリの所で止まった...
実にもどかしい──
私は手に持っていた本をテーブルへ置き、ユウラの腰にそっと触れ
「私が、こちらへと言ったのですから、もっと近くへ来なさい」
と、彼女の耳元へ囁くように言いながら、自らの腕の中へと誘い込んだ。