The result of revenge [ディアラバ]
第8章 Confident feelings~確信した想い~
あの時からユウラは、部屋にこもりがちになり、学校へもあまり行かなくなった...
唯一顔を合わせるのは、私達が学校へ行く時に、わざわざ見送りをしにリビングへ降りてきては、少し会話をする程度だった。
そんなユウラを、私とシュウ以外の兄弟達は、不審に思ったのか、度々彼女の部屋を訪れてはちょっかいを出しているらしいが、私から決してユウラの元へ足を運ぶ事は、もちろん無い
寂しいなどと言う感情とは違く、離れて行ってしまうのではないか...と、思う反面、
あれから少し距離を置いた事で、私の中にいるユウラの存在が更に大きくなったと実感させられているのは確かだった───
ある日、少し外の空気が吸いたくなり、バルコニーへ向かう途中、微かに話し声が聞こえきた...
兄弟間で、まともに会話が成立している訳がないと直感で感じた私は、すぐにユウラがそこにいて、誰かと話をしている。と、そう思い、そのままバルコニーへと自然に足が向かってしまっていた...
バルコニーが近付くにつれ、ユウラの声と共に聞こえてきたのは、スバルの声だった。
普段の私なら聞き耳を立てる事など、ありえないと思いつつも、彼女の事になると自らが崩れていく...
バルコニーの手前で立ち止まる。
?!
今、彼女が言った言葉──
いや、確かに聞こえた
『失うのが怖いの...』
と...。
それはスバルに向けられた言葉なのか、それとも...
薄い期待を抱いている自分が惨めになる。
私はこんな所で、ただ立ち止まり、聞き耳を立て一体何をしているのだろうか。
スバルは黙り込み、バルコニーの手すりに腕を乗せて、ただ外を眺めている...
私の気配に気が付かない様子のスバル
その事だけで、悟ってしまう
スバルも、またユウラに特別な感情を抱いていると...
私が彼女に、関わらなかった期間にどんな事があったのだろうか
様々な、憶測が頭の中を飛び交う
すぐに色々と考えてしまう癖は直りそうもない...
そして、スバルに対して問い詰める権利もない。