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The result of revenge [ディアラバ]

第7章 Passing~すれ違い~




そんな事が言いたかった訳じゃない...
けれど、私のこの想いをどう伝えて良いのか分からないから...
こんなにぎくしゃくした状態のままで、嫌われたくない...

今は、そう今は側に居てはいけないんだ──

レイジさんの手の動きが止まった
「...っ、いきなり何を言い出すのかと思えば、それは一体どうゆう事ですか?ちゃんと理由を説明して頂きたいですね」

レイジさんがいつもよりも早口になっているのが分かる。私はちゃんとした理由を言えずに黙り込む...

「そうですか。ユウラの方から私の事を知りたいと、興味があると仰ったから、こうして貴女を側において居たのですが...」

......違う。嫌だ...
そんな事言わないで......
でも、今の私にはそれが言えない...

「...何も言い返さないのですね?...分かりました。」
レイジさんは読んでいた本をテーブルに置き、立ち上がる

私はその場で俯き、立ちすくんだまま動けない
レイジさんは無言で私の横を通り過ぎ、部屋のドアの前まで行き、私の方を向きながらドアを開けると
「どうぞ、貴女のお好きな様にしなさい...」
そう言った。

涙が溢れそうになる...
ねぇ、どうして涙が出るの?
泣く位なら、正直に気持ちを伝えてしまえば良いのに...
何がそんなに怖いの??

こんな自分勝手な私を責め立てないレイジさんの事をもっと好きになっていく...

「...っ、私...ちゃんと...考えますから...だから、少し時間を下さい...」
涙を拭いながら、今レイジさんに言える精一杯の言葉だった

レイジさんは黙ったままドアの前から動かない
私は重たい足を引きずり、レイジさんの横を通り過ぎると、部屋の外へと出ていった...

そして、ドアが閉まる直前に聞こえてきたレイジさんの声...

「ユウラ...私は貴女を待っていますから」

その言葉を聞いた直後に振り返ると、もう部屋のドアは締まっていた────


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