The result of revenge [ディアラバ]
第7章 Passing~すれ違い~
何度も頭の中で繰り返されるレイジさんの言葉。
『私がこうして優しく触れるのも、ユウラ...貴女だけなのですよ?』
その言葉の真意とは?
「レイジさん...それって...」
私がそう尋ねた時には、レイジさんはもう私の側から離れた場所にいて、いつも座っている椅子に腰掛けていた
ドアの前から足が動かない...
高揚する胸の中が締め付けられる、それは苦しさ半分で、
残りの半分は───
「そんな所で立っていないで貴女も早く着替えなさい」
レイジさんは至って冷静で、
「は、はい...」
どんな態度をとって良いか全く分からないまま、すぐに着替えた私は、ベットにただ座り、ぼーっとしている。
レイジさんは本を読み始めている
静まり返る部屋。
なんだか私、このままレイジさんの側にいると、どうにかなりそうだよ...
だって、さっきからずっと、ずっと苦しい
初めての〝恋心〟に戸惑いと動揺が隠せない...
実際、さっきのレイジさんの行動の真意も聞けずにいる。
ふと、今日学校の屋上でシュウさんに言われた事を思い出す...
『レイジが豊子に対しての感情なんて、上がりも下がりもしないだろ』
そうだよ...レイジさんはヴァンパイアだから、私が今抱いている様な気持ちを抱くことは無いんだよね?だから、本当の事を聞くのが怖いのかも知れない...
でも、さっきのレイジさんは───
もう考えても考えても答えなんて分からない。
少し頭冷やさなきゃ...
ベットから立ち上がり、私はレイジさんの側へと足を運ぶ
月明かりと薄暗い照明の中、いつもの様に本を読んでいるレイジさん...近くに寄れば寄るほど鼓動が早まる
「おや、どうしましたか?先ほどからやけに静かにしていると思ったら、私の読書の時間を邪魔してまで何か用でも?」
「あの...私、今日はレイジさんが前に用意してくれた部屋で眠ります...」