The result of revenge [ディアラバ]
第7章 Passing~すれ違い~
無事に私の教室まで案内してくれたスバル君。
歩いて向かってる最中は特に会話もなく、私の様子が変だった事については、何も触れてこなかった...
興味が無かったのか、気を使ってくれたのか、それはスバル君にしか分からない。
教室に着いた後、「ありがとう」と言おうとした時にはもうスバル君の姿はどこにもなかった...
スバル君もまた、シュウさんみたいに授業に出るのが面倒だったのかな...?
そんな事を考えながら、教室のドアの窓ガラスから、中をのぞき込む
まだ授業中で、皆席に座っている
そこへ入っていくのは、とても緊張する...そっとドアを開けると、先生が少し困った表情で、『いったいどこで何をしていたんだ』と訪ねてくる
私はそうゆう場合に、何と答えて良いのか分からず
「すみません」とだけ言うと、
『全く相変わらず逆巻の所の奴らは困ったもんだな』
と返され、その後は特に何のお咎めもなく普通に自分の席に戻れた。
...?
今、先生確かに私の事を〝逆巻の所の奴〟って言ったよね?
私の本当の名前は、月浪ユウラ。
よく思い返せば、彼等に私の苗字を言ってない...
いや、言える訳ない
だからなのかな?私は今〝逆巻ユウラ〟としてココに居るんだ。
何だか複雑だな...
自分の名前に〝逆巻〟が付くなんて──
一瞬、カルラさんとシンくん、それに両親の顔が浮かんできた...
けれど、それをすぐに打ち消したのは、やっぱりレイジさんだった......
レイジさんと同じ苗字を名乗るなんて、と、つい頬が上がりそうになる
今は授業中で、先生が話をしているのに、その事で頭がいっぱいで、内容が全く頭に入ってこない
こんなに辛いのに、胸の真ん中は熱くなるばかり...
早くレイジさんに会って、あの時レイジさんの声に反応を返せずに走り去ってしまった事を謝らないと
どんな顔すれば良いかなんて、もう後回し。
とにかく早く会いたい...
彼の中での私の立ち位置なんてもうどうでもいい、ただ側に居たい。
側に居て、その声や表情、私には無いものをたくさん知りたい...
そして触れてほしい───
突然吹っ切れたかの様な心の中、大胆になっていく自分を感じずにはいられなかった...