The result of revenge [ディアラバ]
第7章 Passing~すれ違い~
廊下にはもう人の姿はない...
相変わらず自分の教室の場所が分からず迷ってしまっていると、目の前から見覚えのある銀髪の彼が歩いてくる
「あ!スバル君」
私は急いで駆け寄り、スバル君に、迷ってしまっている事を説明し、私の教室がどこか尋ねると、スバル君は
「めんどくせぇけど、オマエに何かあったらアイツがうるせぇからオレが連れてってやる」
と言ってくれた...
けど、アイツって...?
「ねぇスバル君、〝アイツ〟って誰?」
「んなもん言う必要ねぇだろ」
と、私の顔を見ながらピシャリと返されてしまった...
いつもと同じ不機嫌そうなスバル君だけど、結局案内してくれる所は、やっぱり優しい。
「なぁ、ユウラ...目、赤いけど泣いたのか?」
さっきの苛立った表情から、突然心配してくれている様な優しい表情に変わったスバル君が、今の私の目にはあまりにもカッコ良く見えた...
「ううん、泣いてなんかないよ...大丈夫」
首を振り、必死に強がってみせる
スバル君だってヴァンパイアなんだから、シュウさんと同じ考えに決まっているし、悟られてまた笑われたくもない...
「そうか?大丈夫そうには全然みえねぇけどな」
ポケットに手を突っ込みながら、私の顔をまじまじとのぞき込んでくる
「そ、それより、スバル君は授業どうしたの?もしかして、も、もう学校終わっちゃったの?」
スバル君の顔が近すぎて動揺した私は、少し早口になる。
するとスバル君は、そんな私が面白かったのだろう、プッと吹き出し笑った...
「ハハッ...オマエ面白すぎだろ」
「そんなに笑わなくてもいいのに...」
そう言いながら俯いたのは、ただ笑われてイジケてしまっただけじゃなくて、
スバルの笑った顔がとても可愛かったから...
「私、スバル君の笑った顔好きだな」
と、俯いたままついボソッと言う
するとスバル君は多分、自分の事を言われたのが恥ずかしかったんだろう
「んだよ!変な事勝手に言ってんじゃねぇ!ほら、まだ授業あんだからさっさと行くぞ!」
と、言いながらスタスタとどこかへ歩いてい行く
私はちょっと早歩きのスバル君の後を必死に追い掛けた...