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The result of revenge [ディアラバ]

第7章 Passing~すれ違い~




そう...結末は────


「なぁ、アンタ」
突然シュウさんが喋り出した。
自分に向けられたと理解するまでに、少し時間が掛かってしまったせいで、シュウさんが更に話を続けた

「...そんなにレイジがいいのか?」
あまりに唐突な言葉に、一瞬ずっと頭の中で考えていた事を、口に出していたのかとも思ったが、そんな訳はない

「えっ、と、」
口ごもってしまった
シュウさんの隣で堂々と横になっている事まで恥ずかしくなるほどに動揺した私は、起き上がりながらシュウさんに向けて言う

「な、何で私がレイジさんの事を考えてるって分かったんですか?」
すると、
「クク...アンタの考えてる事位すぐ分かるさ」
すぐにそう返され、もう全て知られているのならと、私はシュウさんに本音を吐露してしまった...

「レイジさんに嫌われたくないんです...」

それを聞いたシュウさんは私を蔑むように微かな笑みを浮かべ
「レイジがユウラに対しての感情なんて、上がりも下がりもしないだろ」
と言った

それは、遠まわしに、ヴァンパイアにはそんな感情を持ち合わせている訳が無いと言っているかの様だった...

その言葉に、私は何も返せずにいる
どこか心の奥底でそうではないかと思っていた部分に、図星そのまま言い当てられてしまったから...
私のこの感情ですら、半分人間になったから生まれた感情なのかも知れないと...

あぁ、そうか...昔読んだ本も、人間同士のお話だったっけ...

「シュウさん...?私はどうしたらいいですか?」
苦し紛れの問いかけ
目から流れそうになる雫を、夜空を見上げる事で防ごうとする

「...オレには関係ない、アンタ達で勝手にやってくれ」
そうシュウさんは冷たく切り離す、起伏のないその言葉に、私の胸の中は締め付けられる

「そうですよね...シュウさんにこんな事聞いても仕方ないですもんね」
私がそう言うと、シュウさんは

「...そろそろどっか行けよ、もう寝る」
と、あくびをしながら答えた。



ねぇ、苦しいよ...レイジさん
今貴方は何を思っているの?
ううん、きっと何も思ってなんか無いよね...

気が付いてしまったこの〝恋心〟をどこにもやれないまま、私は立ち上がり、屋上を後にした...


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