The result of revenge [ディアラバ]
第7章 Passing~すれ違い~
よく考えれば、レイジさんとシュウさんはあまり仲が良くないんじゃないかな?
確かそう感じさせる事は多々あった
そう思えば、このまま私のレイジさんに対する感情を訪ねた所で、答えてくれるはずもないだろう...
それに相変わらず何も応答は無いし、ピクリとも動かない。
「......はぁ...」
ため息が出た
こんな感情は初めてだ。レイジさんと出会ってからずっと、新しい感情に振り回されっぱなしで、少し疲れてしまった。
今隣に居るのが、多くを語らない...いや、他人に興味を示さないシュウさんで良かったとすら思えてくる...
「なーんか私も少し疲れちゃったー」
そう言いながら、シュウさんの隣に寝転ぶ
こんな所、レイジさんに見られたら絶対叱られる...
けど、今は...今だけは、何も考えずに夜空を眺めていたい
とても綺麗な夜空...
たくさんの小さな光と、少し欠けた月
夜風が心地よく通り過ぎる静かな時間
硬いコンクリートの上にいるはずなのに、どこか気持ちが良い
「...シュウさん、ありがとうございます」
今回はシュウさんが居てくれた事に感謝した
少し前、いきなり私のベッドに寝られた時の事を思い出すと、決して言える言葉じゃないはずなのに...自分でも意外だった
憶測だけれど、私も半分始祖の血が流れているから、何かしら月蝕の影響を少し受けているのかも知れない...
それからしばらくシュウさんの隣で寝転んでいた私は、少し落ち着いてきたからか、自分の心の中を整理しようと色々考え始める...
始祖の生き残りで、唯一の女性だった私は、何故かカルラさんに突然告げられた言葉通りに、今逆巻家の兄弟達の元にいる。
何故か半分人間にされた状態で──
彼等はそれに気が付いてはいない
けれど、多分レイジさんだけは何か感じている。
彼等との出会いは最悪だった。
いきなり吸血をしてきたアヤト君
ライト君もシュウさんも同じだった。
カナト君には吸血こそされていないけれど、いつされてもおかしくないと思えた...
スバル君は、ライト君に煽られた部分もあったけれど、私に跡を残したのは確かだったし
思い返しても、最悪な事ばかり...