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The result of revenge [ディアラバ]

第7章 Passing~すれ違い~




しばらくしても、相変わらず私の頭の中にぐるぐるとずっと住み着いている光景...
歩きながら色々考えるも、もうどうしようもない。
この醜い感情は何なの?

もうどんな顔をしてレイジさんと会えば良いのか分からない...
こんな私の感情など絶対に悟られたくない。
嫌われたくない...

私はたどり着いた階段をひたすら上に登り、最上階だと思われる場所の扉を開けた...
夜風が心地よく吹いていて、月明かりもとても綺麗だった。

私は先に見えた手すりの方へと歩いていく
「ここ、屋上だ...」
ため息混じりに言った独り言。
そこから見える景色はとても綺麗で、魔界のそれとは全然違うものだった

少しは気がまぎれた様な気がした...
そのまま夜空を見上げながら、歩いていると、何かにつまずいた

「うわぁっ...!」
危なく転びそうになってしまったが、なんとかそれは避けられた。けれどこんな何も無い場所で、一体何に?
私がその何かの方に顔を向けると、そこには──

「シュ、シュウさん!?!!」

「んん...何だアンタか」
本当にシュウさんてばどこでも寝るんだ...
それにしてもこんな屋上で、しかもコンクリートの上に、イヤホンを付けたまま、腕を組み片膝を立てたまま横になっている

「シュウさんこそこんな場所で寝てるなんて、授業は良いんですか?」

「うるさい。アンタに関係ないだろ...」
そう言った後、あくびをしながら寝返りをうち眠ってしまった。
イヤホンをしていたけれど、私の声聞こえたんだね...

私は、シュウさんなら、何も言わずにただ聞いてくれるかも知れないと、眠っているであろう彼に、問いかけた...

「シュウさん?そのままで良いんで聞いてくれませんか?」

「............」

もちろん返事は返って来ない。
けれど、私は今のこの感覚を誰かに伝えたくて、シュウさんの寝ている横に、膝を抱え座り込む

「私、醜いんですかね?...もう良く分からなくなっちゃって...辛いんです」

相変わらず応答はない
それはそうだ。いきなりそんな事を言われた所で、何があったのかすら説明していないのだから...

どうしよう。シュウさんに私の胸のうちを明かしても大丈夫だろうか...少し黙り込んでしまった。

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