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The result of revenge [ディアラバ]

第7章 Passing~すれ違い~



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鐘の音の後に、私はピアノのある教室を出て、廊下をひたすら歩いていた...

「ヤバ...完璧に迷ったかも」
さっきの鐘の音の後、ぞろぞろと各教室から何人も出てきては、談話をしたりしている

どうも同級生ではなさそう、違う階に来ちゃってるのかも...
階段を降りようとした時、レイジさんの姿を見つけた。声を掛けようとしたけれど、ふとあの事が頭をよぎってしまい、すぐに声を掛けられずにいると、レイジさんのすぐ隣を歩いている女性の姿が目に入った

「二人でどこ行くんだろ」
釈然としない気持ちを抱えたまま、私は二人の後を付けてしまった...
二人は後ろを振り返る事はなく、少し離れた所から見ていたせいもあるが、レイジさんは私の存在に気が付いてはいなかった。

レイジさんと一緒にいる彼女の方は、何か一生懸命喋っているみたいだけれど、レイジさんの方は至って冷静で、むしろ返事すらしていない感じだった。

しかしそれは突然起こった───

突然レイジさんが彼女の腕を掴み壁に押し付け、顔を近づけながら何かを言っている...

「...え、何してるの...?」
私にはレイジさんが彼女に何を言っているのか、全く聞こえてこない

私以外の女性と、あんな近い距離で...しかも腕まで掴んで...
この感情はいったい何なのだろう。胸のあたりが騒がしく痛む

しばらくすると、彼女はレイジさんの手を払い早々に走り去っていった...
その場に立ち尽くしたままの私は、思考が停止してしまったかの様に、足が動かなかった

すると、レイジさんが振り返り、そんな私と目が合った

「...っ、貴女!ここで何をしているのです!」
そう言われハッとし、その場からすぐに立ち去ってしまった...
走りながらもずっとさっきの光景が頭から離れない。

レイジさんが私以外の女性とあんな近くで...
何してたの?
あの彼女の視線はどこかレイジさんに対して好意を持っていると、本能的に感じた。

無我夢中で走っていると、突然声をかけられた

「おい。お前、廊下は走るなという事を知らないのか?」
黒髪の短髪で毛先が少し白っぽく、とても綺麗な顔立ちをした人に注意されてしまった。とても丁寧な言葉遣いで、背筋が伸びていた。

「す、すみません。気を付けます...」
と一言だけ告げ、また歩き出した。


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