The result of revenge [ディアラバ]
第7章 Passing~すれ違い~
はぁ...何故この私が人間の頼みなど聞かなければならないのか、納得いかない気持ちを抑える
〝郷に入っては郷に従え〟
父上の言葉が頭に浮かんだ。それにしても、他の兄弟達の様に、少しは自由奔放でいたいものだ...
「ええ。資料室ですか?良いですよ」
私は返事をした
そして、そのままその女性と資料室まで向かった。
『逆巻くんて、いつも成績優秀ですごいよねー』
だから何だと言うのだろうか...
当たり前の事過ぎて返す言葉もない
『ねぇ聞いてる?』
「すみませんが少し黙って頂けませんか?」
下等な人間共には興味すら起きない
けれど、どうしてかユウラは特別である...
『ちょっとひどすぎるよ...私逆巻くんの事──』
彼女が何か言いかける、私はその続きが容易に想像出来たからか、自然と彼女の腕を強くつかみ、無理やり壁に押し付け、冷めた目をし顔を近づけ言った
「私は貴女が思っている様な善人ではありません。それに、貴女は私の何を知っているのです?...それでもその言葉の続きをおっしゃりたいのなら、どうぞ言ってご覧なさい」
強く掴んだ腕が痛いのだろう、少し顔を歪ませ黙り込む。
少しの沈黙の後、彼女は涙を目に浮かべながら私の手を振りほどきその場から立ち去って行った...
普通の人間の血の匂いをいつもなら本能的に欲しがってしまう所だったが、先程の彼女を目の前にしても、私の頭の中を支配していたのは、ユウラの香りだった
全く、くだらない時間を過ごしてしまった。
私は教室へと戻ろうと振り返る
すると、そこにはユウラが呆然と立ち尽くしていた...
「...っ、貴女!ここで何をしているのです!」
何故学年の違うユウラがここに来ているのか検討もつかず、更には先程の私の行為を見られてしまったのか...動揺してしまった。
彼女は私の言葉に返事をする事はなく、すぐに振り返り立ち去ってしまった
私は一体何に動揺しているのか
そもそもユウラはどこから見ていたのか...
何か勘違いをしてしまったかも知れない。いや、勘違いとは?...まだ彼女の本心は聞けていないのに...
その後、学校が終わりいつもの様に待機している車へと向かった。
彼女はもう来ているだろうか...
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