第5章 愛情弁当
「二人ともお堅いわねぇ。…ごちそうさま、ユウリ。いつも美味しいご飯ありがとう。」
「お粗末様でした。こちらこそありがとう。」
いつもの挨拶を済ませ、イリーナはお化粧直ししてくるわ、と職員室を出ていった。
職員室で二人きり…。
そう思ったらドキドキしてきました!
何か話題を…。
「烏間先生、ごめんなさい。イリーナは悪気があるわけではないので…。」
「分かっている。」
まずイリーナの発言に対する謝罪しました。
次はー…。
「「………」」
ち、沈黙が気まずいです。
ちらっと見れば烏間先生も食べ終わりパソコンに向かっています。
折角の二人きり、話題話題、頑張れ、私!
手元にあるお弁当を片付けながら…思い付いた!
「あ、あの!よろしければ烏間先生のお弁当を作らせてもらえませんか?」
烏間先生は顔をあげ眉間にシワ寄せています。
やはりご迷惑だったのでしょうか。
思わず俯き目を逸らしてしまいました…。
「すいません!ご迷惑でしたよね。」
「いや、ユウリさんが大変でなければお願いしたい。」
「…大丈夫です!大変じゃないです!!是非、是非作らせてくださいっ!!」
思わぬ返答に驚いて一瞬言葉を失いました。