第3章 幼少期
『奴良鯉伴殺害を防ぐ』
「あぁ」 《はい》
『斑は影で待機、羽衣狐以外にも注意してて』
「あぁ」
『白は私の体に巻き付いてて、何時でも刀に出来るように』
《はい》
『相手は羽衣狐 油断はするな 死ぬぞ』
メイの表情は酷く無だった……
「着いたぞ」
『ありがとう』
メイは斑の背中から降り、鳥居の前まで歩いた
『(始まる)』
お腹に巻き付いている白を服の上からそっと撫でた
《主…》
『【大丈夫】』
メイは白が心配そうな声を発したので優しく返した
ザァ__
木々がざわざわと音を立てた
『(来た)』
メイは鳥居に目を向けた
そこには
『(山吹…乙女、 )』
「遊びましょう」ニッコリ
『えぇ』
乙女はメイに笑い問いかけた
メイも頷く
すると
タッタッ__タッタッ
メイの後ろから小さな足音が聞こえた
徐々に近付くにつれて 足音がやんだ
『…あなたも一緒に遊ぼう』
メイが振り返り、男の子__奴良リクオに問いた
その日は三人で遊んだ
鬼ごっこ 氷鬼 ケイドロ
会話もした
楽しいけれど
そんな時間も
後少しで
『(真っ赤に染まってしまうのね…)』
メイは2人の背中を見て、苦しく顔を歪ませた
リ「メイちゃん! どうしたの?」
リクオはメイに近づき、顔を覗き込むようにしゃがんだ
メイは自分の顔を見せないようにリクオの額に手を置いた
『大丈夫だよ』
メイは頭に被せてある羽織りの裾をキュッと引っ張り深く被り直した
すると
「リクオ…その娘達は?」
メイ後ろに人が立っていた
リ「お父さん!」
そう、この人が
_奴良鯉伴__
リ「遊んでくれたの! お姉ちゃんとメイちゃんが!」
リクオは満面の笑みを浮かばせていた
『【そろそろだよ 備えてて】』
《何時でも大丈夫です》
もう直ぐだ
リ「あ!何だろうアレ メイちゃんも行こう!」
『うん』
鯉「リクオ、メイちゃん あんまり遠くへいくなよ」