第3章 好き
♡Saori♡
私は深瀬が好き。
いつからかそう思った。
でも、深瀬には彼女ができて、
私なんか・・・
「さおりちゃーん」
また深瀬の呼ぶ声が聞こえる。
また始まる悲しくて楽しい時間。
深瀬のプロポーズの練習。
「・・・結婚してください!!!」
こんなことを私に向けて言ってくれたら・・・
何日か後に、深瀬はプロポーズした。
でも、結果はダメだったみたいで、
どこかへ行ってしまった。
行方不明・・・だった。
ずっと私たちは探していて、1週間後に見つけた。
病院に連れて行って、
入院して・・・
でも、起きなかった。
「ふかせぇ!いい加減起きてよ!」
どんなに声を嗄らしたって、
あなたには届かない。
眠り姫ならぬ眠り王子。
深瀬は、来年のペルセウス座流星群の日にルナさんに会う約束をした。
いつの間にかその日になってしまった。
深瀬の笑った顔を見たのっていつだっけ?
声聞いたのいつだっけ?
今日はなかじんもLOVEもいるよ。
起きようよ。
ね?
「起きてよ・・・もう・・・寂しいよ・・・」
涙がこぼれる。
なかじんが私の肩に手を置く。
知ってるの。なかじんが私を好きだって。
ごめんね?
私は心の中で謝って、
深瀬に唇を重ねた。
__深瀬・・・起きて・・・