第3章 好き
僕の出した答えは結局、
ルナをとらなかった。
さおりちゃんは意外とすぐに見つかった。
街にあるウエディングドレスのお店の前でドレスを見ていた。
「さおりちゃん。」
びっくりした顔で僕を見るさおりちゃん。
「深瀬・・・」
僕はさおりちゃんの手をつかみ街の明かりの中を走った。
海へ向かって。
街を抜け海に出たら次はどこを目指そうか。
なんて考えていたら海へ出た。
「みんないないね・・・」
さおりちゃんがつぶやく。
なかじんどこだろ・・・
ふと、優しい香りに包まれた。
「さおりちゃん?」
不思議と手がさおりちゃんの頭をなでる。
何してんだ俺・・・
さおりちゃんの涙をこらえる声が聞こえてくる。
「泣いていいよ。」
さおりちゃんはコクンと頭を動かすと、
声を上げて泣いた。
なかじん・・・
これってどうすればいい!?!?!?
波の音がBGMで、ドラマみたい・・・
「・・・」