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君への5センチメートル【ハイキュー!!】

第3章 3vs3


スパイクを阻まれた日向は、悔しそうに目の前の月島を見上げた。月島はそんな日向を見下ろして、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。

「君よく跳ぶねぇ!それであとほぉ〜んの30センチほど身長があればスーパースターだったかもね」

「クッソぉ…!!」

月島のヤツ、イイ性格してるな、と思う。どうやら、相手をおとしめることで調子を上げるタイプらしい。こういうやつのペースに飲まれると、試合の後も引きずることがあるから厄介だ。

ブンブンと首を振りながら「もう一本…!」と日向が声を張り上げた。そんな日向には取り合わず、月島は影山に向かって言葉を投げる。

「ホラ、小さいのがこんなに頑張ってるんだから、君もそろそろ本気出した方がいいんじゃない?王様っ!」

「王様……?」

初めて聞く呼び名に、隣のみなみさんが首を傾げた。その声が聞こえたのか、月島はこちらを見てニコリと笑った。モデルみたいな端正な顔立ちのくせに、こいつの笑顔には何か裏を感じる。

「知らないんですか?中学の時から、コイツが王様って呼ばれてるの」

そう言って、影山を指差す。影山は悔しそうに唇をぎゅっと結んで、目を伏せた。月島はその表情を伺うように、わざとらしく覗き込む。

「中学の時、君の自己チューなプレイにチームメイトが付けた異名なんでしょ?
“コート上の王様”
ーーー“横暴な独裁者”って意味でさ」

「オイ、さっきっからうるせーぞ…」

「田中、いいから…」

しびれを切らした田中の言葉を大地が遮った。
田中は不服そうな顔で引き下がる。
月島はお構いなしに話を続けた。

「横暴が行き過ぎて、中学の県大会の決勝、ベンチに下げられてたもんね。もしかして、それでビビって速攻使わないの?」
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