第2章 二度目の再会
「じゃあ、改めて紹介しますね。こちら、副顧問の野村みなみ先生です。僕と同じ国語教師で新任の先生ですが、僕では目の届かないような女性目線のサポートをしてもらうつもりです」
「じゃあ、自己紹介を」と話を振られて、彼女はあたふたと俺達に向き直った。うっかり下の名前で呼んでしまい、動揺させてしまったらしい。でも俺だって、まさかこんな風にまた会うとは思ってなかったんだ。
彼女は気持ちを切り替えるように、背筋を伸ばして、呼吸をひとつした。
「えっと…古典担当の野村みなみです。みんなの支えになれるよう精一杯頑張りますので、よろしくお願いします」
そう言って彼女は丁寧にお辞儀をした。顔を上げたあとで目が合って、恥ずかしそうに目を伏せる。その様子を見て、俺も顔が熱くなった。今日はあんまり部活に集中できなそうだな、と思う。
「じゃあ、僕らはこれで失礼します。あまり顔は出せないかもしれないけど、出来る限り見に来ますね」
「はい、ありがとうございます!じゃあ皆、挨拶!!」
大地の号令で全員が姿勢を正し、一礼する。
『よろしくお願いしまーす!!』