第2章 二度目の再会
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「スガ、お前新しい先生と知り合いなのか?」
帰り道、意味深な表情で大地が聞いてきた。部活中からずっと聞きたそうな顔をしてたけど、俺があんまり取り合わなかったからだろう。
「あぁ、うん…。幼馴染っていうか、近所に住んでて母親同士が仲良くてさ。昔から知り合いなんだよ」
「へぇ〜!あの先生、初日から人気者ッスよ。隣のクラスが習ってるらしくて、男共が浮かれてます」
羨ましい、と神妙な顔で田中が言った。その横で大地が目を細めて唸る。
「まぁ歳も俺らと近そうだし、ああいうタイプは男から好かれそうだよな。守ってやりたくなる、的な」
「ちょ…人の幼馴染そういう目で見んのやめてくんない?」
「ははは、スマンスマン」
思わず反論してしまった俺を見て、大地は楽しそうにニヤリと笑った。こういう時の大地は、結構タチが悪い。
大地は切り替えるように、清水に振った。
「まぁ、女の先生が手伝ってくれるなら、清水の負担もちょっとは減るかもな」
「うん」
「潔子さんと野村センセイ…。烏野女子はレベル高いっすね…!」
「そーいや入部希望の受付、来週からだろ?とりあえず、希望者がいたらまた教えてくれ」
「分かった」
「潔子さんっ、俺、勧誘の手伝いならいくらでもーーー」
「田中が勧誘すると皆逃げちゃうから絶対に手伝わないで」
「はぅっ…!辛口な潔子さんもステキです…!」
清水の辛辣な言葉にめげることなく、田中は嬉しそうな顔でニヤけている。
「ははは、清水にも同じこと言われてる。…あ、じゃあ俺はここで。また明日な」
「おう、お疲れ!」
手を降ってみんなと別れ、俺は自分の家に急いだ。これからちょくちょく部活で彼女と顔を合わせることになる。ワクワクする反面、彼女とみんなの前でどう振る舞えばいいのか…先が思いやられた。