第6章 覚醒
アナリアだった。
え?と、驚く。
更に彼女はかわいらしいネグリジェを着ていて、
下着姿が透けて見えた。
思わず目をそらす。
そんな僕の手を優しくひいて、
ベッドの縁に座るように促したので二人で腰かけた。
目を向けられない。
刺激が強すぎる。
なぜ彼女がいるのか、
そんな格好なのか、
この状況はどういうことか、
いろんな事を考えてパニックになった。
心臓だけが早まる。
──────深呼吸…深呼吸…。
深く吸って、はいて…
少しずつ落ち着きを取り戻す。
そして意を決めて、振り返ると
とろんとした瞳をして僕を見つめる彼女の顔があった。
「……………っ!!」
心臓をぎゅうっと絞られたような感覚が貫いた。
ふっくらとした柔らかそうな、胸の谷間が視界に入る。
太ももも見える。
まるで裸のような……彼女の白肌がそこに…
思わずまた目をそらそうとしたが、
彼女が顔を両手で覆い、それを阻止した。
向き直らせて、見つめ会う。
艶めいた唇が、僕の唇の軌条に乗る。
「………………。」
あと3センチとでも言えそうなところで
彼女は手を離し、
僕の手を優しく握った。
体が固まってしまった。
彼女が誘っている。
迷っていた。
傷つけられてきたであろう彼女をこのまま抱いていいのか…
彼女がおかしくなってしまっただけなのか…
客でもない、僕と寝て何の意味があるのか…
意図がわからない。
混乱が強まっていく。
でも一方で欲望が膨れ上がる。
ものすごい勢いで欲望が押し寄せてくる。
目の前の情景に理性を飲み込まれてしまいそう…
ぴくりとも動けなかった。
すると、
彼女が一瞬
悲しそうな顔をした。