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アイサレテル [R18]

第6章 覚醒







──部屋に戻され、やがて夜になった。







生まれてはじめて着る、こんな上等な服。




特別な日に着るようなものだろう。








─────そう、特別な日………。









今日はお客さまが来ている。









まだアナリアのようには

部屋から出ることを許されなかったので



窓から外を見ていたら

そのような様子があった。






それにこの服。





間違いない。きっとそうなんだろう。










夜が更けるにつれて、

恐怖に飲み込まれそうになる。




近づくその時から今すぐに逃げたい、怖い。




行き場のない思いで頭を巡らしていたとき

戸を叩かれ、向こうから声がした。








「ピーター様、ご案内致します。」

















彼の後ろを歩く。






絶望の廊下を進む。







こういう時、人は無心になるのだろうか


頭のなかに何もなかった。










そして着いた部屋に通され、






「今日からこちらのお部屋をお使いください。…お休みなさいませ。」









パタンと閉められる。











───────え?













拍子抜けした。
























──────…………よかった…。







ほっとして胸を撫で下ろす。


悪い予想は違ったようだった。








そこは、



月明かりが差し込むだけの

広くて真っ暗な部屋だった。







高級そうな家具に囲まれて、


真ん中に大きな天蓋付きのベッドがある。








僕にはきらびやかすぎて、落ち着かない部屋だった。











ふぅっとため息をつく。






すると、ベッドの上で

影が動いた。









──────!?












ドク ドク ドク ドク ……






緊張した。



心臓の音がどんどん早くなる。





その人影は立ち上がると、




ゆっくりと




僕に近づいてきた。










……身構えて見つめる。













月明かりに照らされて見えた顔は……







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