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アイサレテル [R18]

第6章 覚醒










ぽろぽろと涙がこぼれる。








女の子の前で泣くなんて情けないと思ったが、止まらなかった。



泣くな泣くなと自分に言い聞かせる。







──そうだ、泣くな…







はっ、と気づいて青い目を見る。





だって彼女はどうする。




彼女はきっと、ずっとずっと前から…













たまらなくなって


アナリアを引き寄せ、



ぎゅっと強く抱き締めた。







細い体を折ってしまいそうなほどに

強く抱きしめた。



でも彼女は全く抵抗しない。





それが、かえって僕の心を締め付ける。



言葉にならない思いが目から溢れ続けた。






───君は、どんな思いでいたの?…





彼女の無表情な顔に問いかけてみても、答えはない。





僕の涙が頬に着いて、

彼女も泣いているように見えた──




















トントン





部屋をノックされた。


「失礼致します。」


急いで体を離したあと、ガチャリと開いて入ってきたのはアルベルトさんだった。






「ピーター様、おはようございま…。」







予想外だったのか、アナリアを見て一瞬驚いた顔をする。






「……アナリア様。こちらにいらしたのですか。




……リヒト様が探しておいででしたよ。」









「………。」









変な間が流れる。













そして、彼女はゆっくり立ち上がり、

ドアに向かった。





ゆらゆらとゆれる綺麗なうしろ髪。







そのとき、カツンと何かが落ちた。










───?









アルベルトさんが拾い上げ、何かを考えるようにそれを見つめたあと、



「落としましたよ。」



と、アナリアに差し出した。




しかし、彼女はそれを見ることもなく




そのまま部屋を出ていった。











「…………。」



アルベルトさんが鋭いまなざしで扉を見つめる。



そして僕の方へと向き直った。




つかつかと近づいてきて、被っていた毛布を勢いよくひっくり返し



僕の両腕を片手で押さえてシャツをめくりあげた。



「─っっ!!!???」






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