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アイサレテル [R18]

第6章 覚醒





温かな日射し


子供たちの笑い声


木々の間を抜ける風の音



走り回って遊び疲れて
木陰で横たわり、空を見上げていた。


こんなに空を青いと思ったのは、はじめてだ。




ふわりと軽いブランケットを僕にかけて






────ピーター、寒くない?






優しく頭を撫でて、覗き混んだ。






─────うん。








幼い頃



晴れて気持ちがいい日には、よく母と簡単なお菓子を持って近くの公園に遊びに行った。




思いきり遊んで、お菓子を食べて、疲れたら母の隣で昼寝をする。




こんな日がずっと続くと、



疑うことなく信じていた懐かしい思い出






母に小さな手を伸ばす。









……どうしてだろう?





悲しい顔をしていた。








──あ…れ?


…お母さんじゃない?












「……っ!!??」






体が跳び跳ねて、スプリングが弾む。

ベッドの縁に腰を掛けて、たじろぐ僕を真っ直ぐに見つめるアナリアがいた。





「(なんで、ここに君がいるの!?)」








あ………










……そうだった………。











むなしくパクパクと動くだけの口。








それを引き金に、



昨日の事を走馬灯のように思い出した。






あの味、匂い、痛み…





夢であって欲しかったのに、





出せない声が



あれらは夢じゃない、と




物語る。








そしてもうひとつ思い出した。









──────父さん…












信じられなかった。





たしかに、僕が我慢すれば


みんなまともな暮らしが出来るかもしれない



お母さんも助かるだろう。








でも…


………でも








だからって僕を…












あんな恥辱を


受けさせるなんて…


















ふるふると拳を握りしめていると



アナリアが手を伸ばし、そっと僕の口を触った。







そして、


尋ねるように首を傾げる。








沈黙が流れたあと








こくん、と僕は頷いた。



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