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アイサレテル [R18]

第3章 秘密











「ごめん、起こすけど…


ちょっといいかな?


聞きたいことがあるんだ」






温室の奥、

並んだ棚に積まれた植木鉢らの向こうにガーデン用のテーブルセットがあった。




そしてその横にあったベンチに




開いた本で目隠しをしたルーク君が寝ていた。





見当たらなかったので探していたら


晴れた日はだいたいここにいると


フェイ君が教えてくれたので来てみると本当にいた。





「ん─?……ピーター?……どうした?」








むくっと体をおこし、ベンチにかけ直す。






眠そうにしぼめた目で髪をかきあげ、カリカリと頭をかいた。








そういえば




彼もリヒトさんの兄弟






彼程ではないが、気だるい仕草は


彼に似て少し色っぽい。




フェイ君も同じ顔をするのだろうか









「昨日の夜ね、ご主人にアナリアを紹介されたんだ」





ルーク君は一瞬びっくりした顔をしてから



きゅっと眉をひそめた。







「…それで?」




変な気がしたが続けた。




すごく美人だよねと、彼に言うと



しばらく黙ってから呆れた顔をして





「気に入った?」






吐き捨てるように言われた。


フェイ君といい、ルーク君も

彼女の話題は気に入らないのだろうか





「気に入った、なんて…まだ…


ちょっとしか会ったことがないし


昨日も会えたと思ったら、


一瞬で居なくなっちゃったから…」




「彼女って…、養子?」




すると、急に顔色が変わった。




覗き混んでじっと僕を見つめる。





「…………な、何?……かな?」





そして


ふぅっと、ルーク君の肩の力が抜ける。





「そ、養子だよ。」





お前まだガキ扱いされてんだな、と言って笑う。



よくわからない。



バカにされているんだろうか。



どういう意味か尋ねると、不思議な顔をされた。




「え、“養子”でわからない?…



………知らない…のか?」




「………知らないって何が?」




言っていることがさっぱりだった。




そして少し間が空いたあと


まぁ貧乏っぽいしなぁ…と言って


彼は教えてくれた。
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